キャリア選択の規律を考える~根拠なき石の上に3年理論の終焉~

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一度就職したら3年は我慢して頑張るべき?

一度就職したら3年は我慢して頑張るべきだ。

誰しもが一度は聞いたことがあるフレーズかもしれない。その根拠はいたってシンプルで
「続けることによって学べることがある」
ということだと思う。

その根拠自体はその通りかもしれない。

ただその反論として、
続けても学べない、進展がない
意味のないことを続けることの先に本質はない
あわないのであれば時間の無駄になるだけ
と言った現実との対峙があるのも事実である。

そこには時代は急速に変化し続けていて、今学んだことが、明日使えなくなる可能性が高いという現実もあるし、積み重ねて学んだことが価値になる時代から瞬間的な感性やクリエイティビティやイノベーションをうむ時代に変わってきているという事実もある。

実際、私も日本のみならずアジアも含めて多くのキャリア相談に載り、キャリアを成功させてきた人とも多く出会ってきたが、石の上に3年理論とはかけ離れたキャリアで成功してきた人も多く見てきた。

30代までの間に7社経験し、40代に転職した会社で15年以上在籍し社長になった人、
新卒で入社した会社を6ヶ月で辞めて、その後、2-3社経験して営業として活躍している人、意図に沿わない異動命令をきっかけに退職し、次の会社で活躍している人、
20代で3社経験し、30代で起業して会社を成長させている人。

就職・転職して数ヶ月で辞めたけれども、その後、活躍している人は沢山いる。一方で転職を繰り返し、徐々に給与が下がり、ある時から突然転職先も見つからなくなっていく人も沢山いる。

 

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違いは何だろうか?

違いは何だろうか?
「はじめは誰もがうまくいかないことは沢山ある、時間をかけて頑張ろう」、と「時間の無駄とあきらめ選択ミスと理解し早々に次の道に歩むこと」どちらも正しくもあり、間違っているかもしれない。大事なのは、選択の時に自らが持つプリンシパル(規律)なのではないだろうか。

そのプリンシパルは、
キャリア志向なのかもしれないし、自分の人生における価値観に基づいた意思決定基準なのかもしれない。それが何の根拠もないが誰かに言われて忘れられない言葉なのかもしれない。得てしてそういう言葉の後ろに自分の価値基準が隠れているものである。ただ自分がどんな時も大切にすべきプリンシパルをクリアにすることが正しい選択の第一歩になる。

例えば、グローバルリーダーになりたいという「キャリア志向」をプリンシパルにするならば、全ての意思決定が簡単になる。すごく面白そうな仕事があるけれど、グローバルリーダーへの道が遠ければ避けたほうがよい。異動先でグローバルとは全く関係のない仕事についたら、そしてその後の未来にグローバルな絵が見えなければ、それが3日であろうと、3ヶ月であろうと変化を考えたほうがいいかもしれない。海外駐在を経て帰国した後、国内営業部に異動してすぐに転職するのはこの典型的な例だ。

 

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好き嫌いの問題とは少し違う

別の例を挙げると、自分ははまると没頭するが、それ以外のことにはほとんど興味がないという人間だとする。そして、今、あなたはその仕事にはまっていない。これは好き嫌いの問題とは少し違う。その瞬間的に辛くて、嫌だなと思っても、なぜか続けていることがある。これはまさにはまっているのである。はまっていないのにとりあえず3年頑張ろうは時間の無駄なのかもしれない。

私は40代で4社の会社を経験し、大きく言うと6つの役割を経験してきたが、まさに3年は頑張ろうという気持ちと、あわないものはすぐに辞めるという両輪があった。1つ目の役割は5年、2つ目は1年、3つ目は4年、4つ目は4年、5つ目は2年で、今である。会社や役割選びは慎重にやってきたので価値観があわないことはなかったが、方向性やスピード感があわなかったことはある。スピード感とは、事業の成長スピードと自分の求めるゴールへの距離感である。2つ目、5つ目がまさにそうであったが、そういう時は(悩みはしたが)転職をするという意思決定をしました。

昔、どこかに書いてあったか覚えていないが、「20代は2社、30代は3社、40代は4社位がちょうどいい」という根拠のない言葉をなぜか心の中のかてとして、今回の転機は逃げではないか?と自問自答してきました。人間は弱いものですし、悩みもします。私も振り返ってみると上記のように整理できますが、その瞬間瞬間では悩み苦しみ意思決定をしてきたわけです。だからこそ自らのプリンシパルをクリアにし、明確にすることにより正しい意思決定をしていけるでしょう。

そしてそのプリンシパルを時々レビューする事により、時代やマーケットにあった意思決定をしていくことができるでしょう。

 

 


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プロフィール
ランスタッド株式会社 人事本部 部長
 
人材会社の日本法人を経て、2010年~シンガポールへ移住。グローバルカンパニーのアジア太平洋州地域の経営人材のヘッドハンティングを行うエンワールドにてシンガポール法人のカントリーマネージャーを経験。その後、帰国し、経済メディアニューズピックスなどを運営するユーザベース社にて日本・アジア地域の人事・採用の責任者等を歴任。現在は、ランスタッド日本法人人事本部にて部長を勤める。日系・外資系、スタートアップ・大手、日本・アジアでの経験を通して6カ国の上司にレポートし、17カ国籍のメンバーのマネジメントを経験したことにより自らの多様性への感受性を育んできた。

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