【企業インタビュー】ユニリーバ・ジャパン株式会社(採用担当者編)

  • 企業インタビュー
記事をシェアする
Facebook Twitter LINE

パーソナルケア製品から食品まで。
魅力的なブランドで市場をリードするユニリーバが求める人物像とは?

アシスタント人事マネジャー
福井 茂貴 様

豊富なラインナップと魅力的なブランドで市場をリードするユニリーバ・ジャパン。
採用担当の福井様(写真左)に求める人物像について、また、人気製品AXEとリプトンのマーケティング担当のお二人に、入社のきっかけなどをお伺いしました。3回にわたってお届けする第1回目です。(役職はインタビュー時のものです)

※この記事は2015年9月に公開した内容を再編集して公開しております。

ーはじめに、事業戦略及び中長期目標・課題についてお聞かせください

ユニリーバ・ジャパン人事マネジャー福井の写真①

ユニリーバでは、環境負荷を減らし、社会に貢献しながら、ビジネスを拡大することを目指しています。この目標を実現するために、グローバルCEOであるポール・ポールマン主導で、2020年までのビジネスプランとして「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)」を導入しました。日本においてもこのプランに則って全てのビジネスが進められています。2015年でちょうど半分が終わりますが、順調にビジネスを伸ばしています。

ユニリーバ・ジャパンでは、2014年にフルヴィオ・グアルネリが代表取締役プレジデント&CEOに着任しました。フルヴィオは「ビジネスで勝つ、売上を成長させる」という強い意志を持ってビジネスをドライブしており、社内の雰囲気を大きく変えています。その結果、目標を上回る成長を実現しています。

現在進めているアシスタントブランドマネジャー、ブランドマネジャーの採用も、USLP(*)で掲げた目標を達成すべく計画的に行っているものです。タレント・パイプラインの強化・構築のためにも、継続的に優秀な方を採用したいと考えています。

ー活躍されるマーケターには、どのような特徴がありますか?

ユニリーバ・ジャパン人事マネジャー福井の写真②

パフォーマンスが高く、ブランドや会社の業績に貢献しているだけではなく、担当するブランドやマーケティングそのものに対する想い、熱意が極めて強い社員が活躍しています。例えば、現在AXEのマーケティングを担当している橋本は、AXEが好きでAXEの仕事がしたいとずっと思い続け、幾度の挑戦を経て現職を勝ち取りました。熱意を持ってビジネスをドライブし、結果を出しているという点で高く評価されています。当社では「自分が何を成し遂げたいのか」「自分の強み・弱みは何か」を知り、それを「どうビジネスで使いたいのか」「ユニリーバという舞台でどう高みに持っていきたいのか」を自分の中でしっかり持っている人がチャンスを掴み、着実にステップアップしています。

ユニリーバでの仕事は、1人で完結できるスケールではなく、チームワークが大切です。そのため、人のことをしっかり考えられる、人を尊重できるということが非常に重要な資質です。また、自分に苦手分野があっても、その分野で強みのある人を自ら仲間に引き入れてサポートしてもらえる人は、のびのびと活躍している印象です。当社では、誰かが担当者をアサインしてくれるのを待つような、受身の姿勢が受け入れられる環境ではありません。「自分はこうしたい」と自ら考え、そのために必要な人を動機づけながら巻き込み、行動に移せることが重要だと思います。

ー御社ではどのような採用基準をお持ちでしょうか?

ユニリーバ・ジャパンの商品画像

パーソナル製品から食品まで豊富な製品

当社では、世界共通の人事評価基準のひとつとして、リーダーシップのコンピテンシーが定義されています。リーダーシップを発揮するために必要な資質がワークレベル(等級)ごとに明記されており、採用時も、入社後のパフォーマンスも、同じ基準で評価しています。先にもお話したとおり、自分が何を成し遂げたいのか、ユニリーバで何を実現したいのかが明白な方が活躍する社風であることから、面接の中でも、その点については深くうかがうようにしています。それは新卒採用でも中途採用でも違いはありません。

それに加え、ダイレクター以上の採用においては、人の感情や思いをケア出来るかどうかを重視しています。また、チームメンバーのディベロップメントも非常に重要な要素です。チームメンバーのキャリアをしっかり考え、そのプロジェクトに携わることでメンバーがどうステップアップできるのか、メンバー自身が理解できるように促し、高い目標を持ってプロジェクトを牽引していくことが求められます。

ー入社後に海外で働く機会はあるのでしょうか?

当社では、職種に関わらず、どの事業部でも海外で力を発揮するチャンスを提供しています。グローバルでの代表的な活躍・人事交流には、大きく次の3つの例があります。

1.短期海外赴任(3ヶ月~6ヶ月)
これはトレーニングやディベロップメントの意味合いが強く、特定のプロジェクトにアサインされ、ユニリーバ・ジャパンに籍を置いたまま、海外のユニリーバへ渡航します。現在、若手社員を中心に年間10名ほどが短期出張で海外へ渡航し、海外から日本への受け入れも積極的に実施しています。今後は、相互の交流をさらに活発にしていきたいと考えています。

2.海外赴任(1~2年程度)
これもユニリーバ・ジャパンに籍を置いたままの渡航です。渡航先のビジネスを伸ばすために、プロジェクトをリードしながら業務に関わります。

3.海外のユニリーバへの転籍
ユニリーバでは、マネジャークラス以上の人事制度は世界共通です。例えば、中国でポジションが空いた場合、社内公募制度を使って転籍することが可能です。海外でチャレンジしたいと思っている方に広くチャンスがあるというのは、グローバル展開しているユニリーバだからこそだと思います。

ー社員のエンゲージメントを高める施策にはどのようなものがありますか?

ユニリーバ・ジャパン人事マネジャー福井の写真③

ユニリーバ・ジャパンのユニークな人事施策の一つに、2015年に全社員を対象に開始した「インディビジュアル・ディベロップメント・プラン(IDP)」があります。「人生で何を成し遂げたいのか、人生の目的は何か、5年後・10年後、自分は何をやっていたいか、それに向けて今何をするのか」を一人ひとりに考えてもらっています。会社の目標を達成するためだけにディベロップメントをするのではなく、「人生で成し遂げたいこと」も明確にした上で、ディベロップメントのプランを立て、日々の業務に落とし込んでいます。自分らしい人生を送りながら成長をしていくことを目的とした、現在力を入れている取り組みの一つです。

また、海外への転籍の中でもお話しましたが、社内公募制度を使って希望するポジションにチャレンジする環境も整っています。自分がやりたいことがはっきりしている人、それをビジネスの場で実現したいという強い想いを持っている人には積極的に活躍の場を提供しています。

ーユニリーバの企業文化や就業環境についてお聞かせください

ユニリーバ・ジャパン人事マネジャー福井の写真④

ユニリーバでは、フレックス制や在宅勤務制度を導入し、社員の柔軟な働き方を推進しています。上長との話し合い、チームとの連携が取れていれば、特別な理由がなくても誰でも利用できます。海外とのインターネット会議に合わせて午後から出社する、子どもの看病のために今日は家で仕事をする、水曜日は在宅勤務デーなど使い方も様々です。いずれも形骸化したものではなく、生きた制度として社員に活用されています。

人によって心地よい働き方は異なります。社内では現在「Work from Anywhere, Anytime (WAA)」という考え方の下、在宅勤務の枠組みそのものを外しても良いのでは、という議論がされています。セキュリティが守られていれば「自宅」である必要もないという考えです。例えば、専業主婦の妻と就学前の子どもが家にいるという男性の場合、在宅勤務で集中して仕事をするのは難しいかもしれません。また、外出先で次の予定まで3時間空きがある場合、カフェで仕事が出来ればオフィスに戻るより時間を有効に使えるでしょう。

ユニリーバでは「多様性を尊重する文化」が根付いているので、しっかりとしたパフォーマンスとアウトプットを出していれば、本人が一番心地よいと思える場所、時間帯で働くことを尊重します。

ー「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)」というビジネスプランについて教えてください。

「よりよい明日を創るために」というビジョンのもと、環境負荷を減らし、社会に貢献しながら、ビジネスを拡大することを目指すもので、2010年の導入以来、世界各国で取り組みを続けています。このプランには大きく分けて、

1.健康・衛生
10億人以上のすこやかな暮らしを支援

2.環境負荷の削減
製品の製造・使用から生じる環境負荷を半減

3.経済発展
数百万人の暮らしの向上を支援

という3つの分野があります。それをさらに50以上の取り組み分野に分け、2020年までの数値目標を設けて、毎年進捗状況を報告しています。

日本では、特に(2)の環境負荷の削減に力を入れています。例えば、原材料調達では、環境や社会に配慮して育てられた農産物を選ぶよう心がけています。パーソナルケア製品などの原料として使うパーム油は、100%持続可能な調達に切り替えました。また、リプトン ティーバッグではレインフォレスト・アライアンス認証茶園からの茶葉、ベン&ジェリーズにはフェアトレード認証の原材料やストレスの少ない環境で育った牛からのミルクを使用しています。また、2015年から日本国内の全事業所で100%自然エネルギーを使用しています。これはユニリーバとしては初の試みであり、パーソナルケア業界でも最大規模の取り組みです。

ーUSLP(*)と御社のビジネスとの関わりについてお聞かせください

ユニリーバ・ジャパン人事マネジャー福井の写真⑤

ブランド戦略でも、USLP(*)をベースに、そのブランドがどう社会に貢献できるかということを大切にしています。例えばパーソナルケアブランドのDoveでは「すべての女性が自分の美しさに気づいていただくきっかけをつくっていくこと」をブランドの使命とし、本当の美しさについて気づきを促す「リアルビューティー」というプロジェクトを展開しています。当社では、ただ単に製品を魅力的に映し出して利益を上げることでなく、ブランドとして何が正しいのかを問い、ブランドを通して人々に何かしらの価値を与えることが重要だと考えています。このようなアプローチでブランドを成長させていく会社はあまりないと思います。現在募集をしているブランドマーケティングの分野でも、ユニリーバらしさを感じられるところではないでしょうか。

USLP(*)は当社のどの部門の仕事にも何かしら関わっています。特に強制されなくても、ユニリーバの社員である以上、サステナビリティに取り組むことは当然だという意識があります。そういった意味ではUSLP(*)は企業文化に深く根付き、プロジェクトを遂行する上でも影響のあるものだと思っています。

(*)ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン

代表者 代表取締役社長 ジョイ・ホー
従業員数 社員数: 約400名
事業内容

ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
パーソナルケア、ホームケアのマーケティングおよび営業、受注管理などのカスタマーサービス、食品のマーケティング

ユニリーバ・ジャパン株式会社
パーソナルケア、ホームケア、食品の製品製造、品質管理および品質保証

ユニリーバ・ジャパン・サービス株式会社
パーソナルケア、ホームケア、食品の製品開発、技術サービス、購買・物流および製品供給計画に関するグループ内サービスの提供

ユニリーバ・ジャパン・ビバレッジ株式会社
清涼飲料のマーケティング

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
持株会社の経営管理・管理部門業務サービス

本社所在地 〒153-8578 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー
事業所 本社(東京)、ユニリーバ・ジャパン開発センター(神奈川)、相模原工場、静岡工場
企業ホームページ https://www.unilever.co.jp/

関連コラム