2020年のコロナ禍以降、様々なビジネスにおいて急速にオンライン化が拡大・普及。それに伴い、人材市場においてかつてないほどにデジタル領域のプロフェッショナル人材、特にITエンジニアへのニーズが急拡大しました。では、具体的にはどのようなトレンドが生まれ、その中で各企業はどのような動きを取り、求職者の動きはどのように変わったのでしょうか?
ランスタッド株式会社プロフェッショナル事業本部にて、ITエンジニアの転職を数多く支援するITテクノロジー業界・チームマネージャーであるショーン・グィーに、今まさに起きている大きな変化について話を伺いました。
日本だけでなく、世界中から採用することがトレンドに
―近年のITテクノロジー業界における人材採用について、どのようなトレンドが見られますか?
すべての企業において、ITエンジニアを採用したくてもなかなかできない状況です。少子高齢化社会が進んでいる日本においては、この先優秀なIT系エンジニアの数自体が減少傾向のため、今後ますます採用が難しくなっていくと思われます。特に若い世代の減り方が顕著で、すでに日本国内だけでなく海外在住の人材も視野に入れてITエンジニアを採用しなければならなくなっている企業も増えている状況です。
中でもオンラインサービスを提供する企業では、アプリをはじめプロダクトを開発するITエンジニアへのニーズが非常に高まっています。海外の企業はもちろんですが、日系企業でもグローバルにサービスを展開している企業の現場では、必ずしも日本語が必須という訳ではありません。そのため、数年前から「GAFAM系のITエンジニア」を含めた海外の優秀なエンジニアを直接採用するケースが増えています。
つまり、グローバル展開する日系企業が「優秀なITエンジニア」を世界中から探してきて採用することが、ITテクノロジー業界でのトレンドになってきているのです。
―日本国内と海外では、その人材採用のトレンドに違いは見られますか?また、アジアと欧米、地域ごとにも違いはあるのでしょうか?
ITエンジニアについては世界中同じ傾向にあり、どの国でもITエンジニアへのニーズは高まる一方です。人口が多い中国とインドでは、他国と比べて若手のIT人材が多く、企業も拡大・成長しているので、国内でのITエンジニアへのニーズも同様に多いと考えています。
常にレベルアップしようとする姿勢が求められる
―ITエンジニアへのニーズがさらに高まると予想される分野はありますか?
機械学習やディープラーニングなど、AI(人工知能)およびデータサイエンスに関する分野は長年注目を集めている分野であり、今後も成長していくでしょう。成長に伴って、これらの分野に特化したスペシャリストへのニーズも一層高まっていくと見ています。
―成長分野であるAIとデータサイエンスを含め、IT系エンジニアにおいては、今後、企業から求められる、必要とされる技術はどのようなものであるとお考えでしょうか?
成長段階にある分野でもあるため、「これが絶対必要」と言い切るのは非常に難しいですね。ただ、必要とされそうな技術を探して改めて身に付けるよりも、既存の技術どれかひとつに特化して高い技術を持つことが重要です。企業に候補者の方をご紹介していても、「あれもそこそこできます」「これもある程度はできます」というジェネラリストより、ひとつの技術を究めたスペシャリストが近年の企業のニーズに合っているようです。
テクノロジーは日進月歩、日ごとに進化します。「レガシー系」と評されるような、今後はあまり必要とされない技術も出てきています。現在のトレンドであるJavaとGolangをはじめ、その時代の潮流に合わせて最新かつ有用な技術を持ち続けるため、常にレベルアップしていこうとする柔軟な姿勢を持つエンジニアは、どの企業でも高いニーズがあります。
人材の動きも、かつてないほどに活発化
―世界中のあらゆる企業と業界がコロナ禍に巻き込まれていますが、ITテクノロジー業界にはどのような変化が起きているのでしょうか。
日本でも海外でも自粛生活に伴う「巣ごもり需要」により、生活用品はもちろん、音楽や映像などのコンテンツまでオンラインで買い物をすることが増えましたよね。この“オンライン化”の流れは不可逆的なものでしょう。それにより人材観点ではITテクノロジー分野へのニーズが加速度的に高まっており、特に採用が難しいITエンジニアには高い待遇を用意する企業が増えています。また、このような流れに伴って転職活動を始める方も増えており、いまだかつてないほどに人材市場は動きが活発化しています。
私たちのチームではITエンジニアの転職に特化したプロフェッショナル集団として、皆さまが本当に活躍できる企業を見つけるご支援を続けてまいります。
世界のビジネスモデルが変化したことでITエンジニアに対するニーズはより強くなり、国内・国外問わず様々な分野で特化型のスペシャリストが求める動きが活発化しています。
今回のショーンのインタビューでもあったように、今や優秀なITエンジニアは高年収のハイクラス転職が実現する可能性が十分にあります。どのような企業が採用をしているのか?自分にはどのようなポジションへの転職可能性があるのか?自分の適性年収は?そのような質問があれば、ぜひランスタッドにご登録ください。ショーンをはじめ、ITテクノロジー業界の最新の企業ニーズや人材採用について、知識・経験が豊富なコンサルタントが対応いたします。
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コンサルタントプロフィール
英語、日本語、中国語、マレー語の4ヶ国語を使いこなすマルチリンガル。大学Chemical Engineering部卒業後、大手日系会社にてSales & Application Engineerとして海外営業、特に東南アジア向けの法人営業を担当。現在はITテクノロジーチームの中でもITエンジニアに特化した採用支援活動を行い、社内でもトップクラスの成功実績を持つ。