外資系企業で活躍するのはこんな人!- 外資系転職の前に押さえるべき6つの心得
あなたは「外資系企業で働くこと」にどのようなイメージを持っていますか? 英語力必須? スキル重視? 年収アップ? 外資系企業への転職を考えるビジネスパーソンに『外資系で活躍する人材』の特徴を解説します。
外資系企業で活躍する人の6つの特徴
日系企業で経験を積み、外資系企業へ転職した人の中には、性別や職位に関係なくフラットであることなど、風土の違いに戸惑った方もいらっしゃるでしょう。外資系企業ではどのような人が活躍しているのでしょうか? 外資系企業5社で活躍してきた経験者にお話を聞きました。
(1)英語は『コミュニケーションのツール』と割り切る人
全員英語が話せるとは限らない、しかし、英語ができると有利なことが!
外資系企業と聞くと、英語がバリバリにできる人たちばかりが働いているイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。
実は、外資系企業には英語が話せない日本人の社員が意外に多くいます。普段、英語をあまり使うことがない営業部門や、広告会社のクリエイティブ部門、媒体部門などには案外多いのです。規模の大きな外資系企業になると、70~80%の社員は英語ができません。しかし、だからといって英語が必要ないかという訳ではありません。やはり英語ができた方が圧倒的に有利なのが外資系企業です。
まず、本社とのコミュニケーションができることから、重要な任務が与えられ、日本国内はもとより、本社での知名度や認識が高まります。グローバルの会議への参加の道も開けますし、将来のキャリアアップの広がりと可能性が格段に増します。管理職(マネジャー以上)への昇格にある程度の英語力が条件になっている外資系企業も多々あります。
通常業務で英語を磨こう
完璧な英語力を目指すよりも、コミュニケーションのツールと割り切り、業務に最低限必要なところから英語を使っていくことをお勧めします。
「まずはEメール⇒伝達事項を英語で話す⇒英語の会議で発言⇒英語でプレゼン⇒電話・ビデオ会議は英語でディスカッション」といったステップで進めるのが良いでしょう。このステップを進めるには当然時間がかかりますが、3年から5年という期間はあっと言う間に過ぎてしまうものです。毎日英語に取り組めば、そのくらいの年数で電話・ビデオ会議を英語でディスカッションすることもできるようになります。ただし、1日30分でも「毎日」英語に取り組むことが必須です。
実はディナーの話題を英語で話すのが一番難しい
意外に思うかもしれませんが、最も難しいのが外国人とのディナーの会話です。話題が仕事だけではなく、趣味やスポーツ・読んだ本・レジャー・国際政治・経済や社会現象と、話のフィールドは際限なく広がります。ビジネス英語がそこそこできる人でも、ディナーの会話は苦手とする人は少なくありません。ですが、外国人の上司にしろ、海外からのビジターにしろ、本当に仲良くなれる機会はこういったディナーや"ノミュニケーション"の場です。ポイントは、新聞や小説、映画などから会話のネタを普段からインプットしておくことです。
(2)どこでも食べていける力を、自ら身に付けられる人
外資系では、「個」の力をより求める傾向があり、就労年数や社歴・学歴が通用しない場合もあります。外資系企業に中途入社する社員は、「何ができるか」で採用され、その「何か」で貢献することを会社から期待されています。その「何か」は「英語+専門業務」で、英語力だけでは通用しないことも事実です。
外資系企業では、基本的に専門業務の能力を数値目標管理(KPIとよばれる)で上司から目標を設定され、どれくらい結果を出したかパフォーマンスを評価します。この評価手法は日系企業でも導入されていますが、外資系の方がより厳格でメリハリの効いたものという印象があります。
実力のある社員は高い目標をクリアし、昇進していきます。反面、目標をクリアする可能性が(組織の構造や上司との関係、報酬の幅など)高くない場合、社外に可能性を求めて転職することが当たり前です。
社員が期待値を大幅に下回る結果しか出せなかった場合は、降格、ケースによっては退職を余儀なくされることもあるでしょう。
特に、一般社員より、マネジャー、部長、経営幹部とレベルが上がるにつれてハイリスク・ハイリターンの傾向は顕著です。外資系企業では、報酬と責任が強く連動しますし、この傾向は上に行けば行くほど顕著です。例えるなら、標高の高い山に登るイメージで、頂上に上れば醍醐味と素晴らしい景色が堪能できますが、その反面、空気も薄く、斜面を滑落する危険と隣り合わせなのです。
(3)会議で自分の意見をハッキリと主張する人
外資系企業に入社したら心がけなければならないことの1つは、「自分のプレゼンス(存在感)を明確に打ち出す」ことです。日本人の美徳といわれる、奥ゆかしさや遠慮、謙虚さとは逆の姿勢です。良い意味で目立つことが重要で、会議は自分のプレゼンスを見せる絶好の機会です。
外資系企業は目的が曖昧な会議を嫌い、参加者は会議への貢献が求められます。「英語で発言すること」、「ロジカルに意見をはっきり述べること」を心得ましょう。会議で発言しないのは、「会議に貢献していない」、「参加する意味がない人」ととらえられてしまいます。
(4)完璧さは必要なし。トラブルに対応できるフレキシブルさを持つ人
どんな職場でもトラブルは起きます。新規に開発したシステムが立ち上がらない、プロモーションが失敗し赤字になったなど、避けたいけれど起こってしまうのがトラブルです。外資系企業は失敗に寛容です。ただし、失敗した時の対応を非常に重視します。「トラブルに対応できるフレキシブルさ」こそ、真の能力が見極められる評価のポイントです。失敗に寛容な理由は、適切に対応すればトラブルを克服し、やがては成功に繋がることがわかっているからです。トラブル対応の経験が人を粘り強くし、どんな問題も乗り越えられる素地を作ると考えられています。
(5)外国人上司への気遣いもビジネスのうちと考える人
よく、「日系企業では上司にゴマをするけど、ドライな外資ではその必要はないのでは...?」と思われますが、それは大きな誤解です。外資系ほど上司への気遣いを重視する傾向にあります。
上司に自分を認識してもらい、好感を持ってもらう。そのためには、上司の趣味は何か、何が嫌いなのか、仕事のスタイルはどうか、どんな発言が相手の地雷を踏むのかを観察し、対応します。ゴマをするのが苦手でも、「相手の好まないアプローチはしない」、「報告はまめにする」、「ごまかさない」、「いきなり"No"と言わず、まず受け入れてから、"But..."と切り出す」など、発言の工夫も必要です。
(6)アピール上手は出世の近道。実績は社内外でしっかりアピールできる人。
「会議で自分の意見をハッキリと主張する」ことでも述べましたが、自分のプレゼンスを確立することは極めて重要です。特に外国人上司の場合は、アピールしないと過小評価される恐れがあります。「積極性に欠けている」、「リアクティブ(受身的)だ」などとすぐにレッテルを貼られてしまいます。一度レッテルを貼られると、覆すのは容易ではありません。一方、「積極的で能動的だ」と思われれば、自分自身のその後の仕事もスムーズになるでしょう。外資系企業では「謙虚」はNGです。
態度もそうですが、服装にも気を使いましょう。お金をかける必要はありませんが、流行遅れのファッションは避けましょう。また、靴は磨かれているか、シャツにしわが寄っていないか、チェックしてみてください。
外資系企業で活躍するイメージがつかめたでしょうか? 外資系は合理的で論理的な考え方が重視される一方、誰でも成果を出せれば認めてもらえるので、上記のようなポイントを押さえれば、実力を備えた女性や若手も活躍しやすいと言えるでしょう。
外資系企業への転職方法
外資系企業で働きたい場合、転職にはどんな道があるのでしょうか。こちらでは、2つの方法をご紹介します。
人脈がモノを言う外資系の転職!
外資系企業に転職する一番確かな方法は、「知り合いの紹介」です。様々な外資系企業で社員からの紹介を奨励しています。社員の知り合いで紹介できる人材であれば、人物的にも能力的にも高いに違いないという理由です。まず、自分が転職を希望する外資系企業に、知り合いが勤めているかチェックしてみてください。
外資系の世界では横のつながりが強く、人材も流動的です。知り合いを頼って転職するケースや、スカウトされるケースも普通です。外資系企業では、転職回数はキャリアアップを重ねた結果とポジティブにみなされます。ビジネス向けSNSのLinkedIn(リンクトイン)などに自分のプロフィールを入れておくことで、横のつながりや交流が生まれることもありますので、転職以外にも前向きな利用をお勧めします。
人脈がないなら転職エージェントへ
知り合いが外資系企業に勤めていない場合に、助けとなるのが転職エージェントです。転職エージェントは、様々な外資系企業で人材発掘の機関として機能しています。
多くの外資系企業は、社員を中途採用するため、転職エージェントのネットワークと専門性を頼りにしています。外資系企業への転職をお考えならば、一度相談してみるとよいでしょう。今すぐに転職をしなくとも、将来のキャリアプランを一緒に考えてくれるパートナーとして、関係を築いてみることも良いのではないでしょうか。
いかがでしたか? 外資系企業に転職する心構えとして参考になれば幸いです。一口に外資系企業といっても、細かいカルチャーは各社ごとに異なります。転職の際は、外資系企業に強い転職エージェントに相談し、情報を収集しましょう。皆さまの転職の成功をお祈りします。
キャリアHUB編集部
*本記事は2017年2月27日に公開した内容を再編集して掲載しております。
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